はじめに
私が今住んでいるのは、とても田舎です。
以前の住まいでは「車は一人一台が当たり前」。生活にも仕事にも、車が欠かせない環境でした。
自家用車を“公用車”として登録して出張に使うという今思えば驚きの制度もありました。
車があるのが当たり前の暮らしの中で、私もずっと「車とともに生きてきた」といっても過言ではありません。
でも今、私は車を手放して暮らしています。
それは、心と体の重荷をそっと下ろす、大きな転機となりました。

車は「生活必需品」だった
私は19歳で車の免許を取り、社会人になるとすぐにマイカーを手に入れました。
独身のころは、仕事帰りに友達とドライブしたり、ラーメンを食べに遠出をしたりと、車はまさに「気分転換のアイテム」。
子どもが生まれてからは、保育園の送迎や買い物もすべて車。
電車は2時間に1本という地域だったため、車なしでは子育ても成り立ちませんでした。
いつしか「逃げ場」になっていた
30代頃から、車は私にとって“ひとりの空間”になっていきました。
好きな音楽をかけて、ぼーっとする。
仕事で疲れた日も、嫌なことがあった日も、車の中が唯一の“逃げ場”だったのです。
当時は気づきませんでしたが、車は“楽しい乗り物”から、“逃げ込むシェルター”のような存在へと変わっていたのです。

車を手放して始まった新しい暮らし
そんな私が、体調を崩し、仕事を辞め、夫とともに転居することに。
引っ越し先は、夫の配慮で、電車やバスが通っている場所でした。
その代わり夫は1時間を超える長距離運転です。申し訳ないけれど・・・
そして、ついに「自分の車のない暮らし」が始まったのです。
今は、移動の基本は「歩くこと」。
遠くに出かけるときは電車を使い、買い物や散歩は徒歩。
夏は暑すぎて、冬は寒すぎる。
でもその中で、これまで見過ごしていたたくさんのことに気づくようになりました。
・舗装されていないガタガタ道
・危険な横断歩道
・鳥たちのけんかやさえずり
こんなに世界は音と変化に満ちていたのかと、驚くことばかりです。

持たないことで、心が軽くなった
車を手放して、1年半が経ちました。
驚くことに、不便よりも「安心感」が勝っています。
・維持費(税金・車検・ガソリン・タイヤ)からの解放
・事故を起こす心配がない
・責任感やストレスから自由になれた
私は今、自転車すら持っていません。
「体ひとつ」が、私にとって最高の移動手段であり、自由の象徴です。
まとめ
車は、これまでの私にとって「なくてはならない存在」でした。
でも、手放してみて気づいたのです。
車を持たないという選択は、私にとって“荷物を下ろす”ようなものでした。
暮らしを軽くしたことで、心も軽くなった。
今ではそんな日々を、心から大切に思っています。
しかし、多くのことは夫の支えがあることが前提ですが。
感謝です。
コメント