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はじめに──「よく見られたい私」を降りたら、呼吸が戻ってきた
🌿50代で「ねばならない思考」を手放しはじめた、元公務員のあじっちです。
若い頃の私は、誰かの期待に応えることが生きる軸でした。
元気で、感じが良くて、頼られて、ミスはしても最後は帳尻を合わせる──そんな“演じる私”。
けれど50代を迎えて仕事を降り、暮らしを見直す中で、私はようやく気づきました。
「人からどう見えるか」より「自分がどう生きたいか」。
見栄と比較を手放していくほど、日々の体温と呼吸が戻ってきたのです。
私を縛っていた“防衛語録”──「私って冴えないんですよ」
人と関わるとき、つい口から出る言葉がありました。
「私って、本当に冴えないんですよ」
自分を先に下げておけば、がっかりされない。傷つかない。
そんな自己防衛の魔法でした。
でも、心の奥では「本当は違う」と知っている。
このねじれが、私を長いあいだ苦しめていたのだと、今は思います。
- 仕事では、夜中にPCを閉じる“最後の人”でいたかった
- 地域や学校では「明るくて感じの良いお母さん」でありたかった
- 料理も家事も「愛情」より「やるべきこと」を優先していた
完璧に近づくほど、私の体はすり減っていく。
その矛盾に気づくのが、少し遅れました。
見栄と比較のレール──“理想の私”は誰の設計図?
振り返ると、私が目指していたのは「人に誇れる私」。
制服のように着ていたのは、他人の視線で仕立てられた理想像でした。
- 明るい・元気・面倒見がいい
- 仕事は頼れる
- 家庭では寡黙だけど抜かりない
どれも悪くはないのに、自分の体温が混ざっていない。
「こう見られたい」は、やがて「こう見られねばならない」へと変わり、
心の余白を少しずつ奪っていきました。
50代で起きた反転──“比べない私”を育てる
仕事を降り、家も手放し、狭い部屋で暮らすようになったとき、
私はようやく、自分の声を聞き取る静けさを得ました。
その静けさの中で出会ったのは、こんな言葉です。
「私は、私の暮らしが好きか?」
誰かの評価ではなく、自分の感覚で“良い”を決める。
その一歩目は小さくて良いのです。
- 朝いちばんに白湯を飲む
- 同じ服を安心して重ねて着る
- 夕方に散歩を10分だけ
- 眠いときに潔く寝る
小さな「好き」をつなぐと、自尊心の骨組みが戻ってきます。
すると、見栄や比較に心が振り回されにくくなるのです。
実践:見栄と比較を手放す「4つのリセット」
1. 言葉のリセット──防衛語録を2行で置き換える
- 旧:「私って冴えないので…」
- 新:「今は練習中です。昨日より1歩進みました。」
事実+微小な前進で言い換える。**“自分を貶めない”**を徹底。
2. 情報のリセット──SNSは“時間と人”を決めて見る
- 見る時間を1日2回×10分に限定
- 比較が湧くアカウントは30日ミュート(後で戻してOK)
- 見た後に**疲れる投稿は「今の自分には強すぎる味」**と評価
「見ない強さ」は、50代の資産です。
3. 持ち物のリセット──“出番”で残す(服・バッグ)
- “高かった”は評価から外す。**「今の出番」**だけで残す
- 週の稼働5コーデを先に作り、写真に撮って壁に貼る
- 出番ゼロが2か月続いたら、卒業の候補
見栄の燃料になっているモノを外すと、比較の炎も弱まる。
4. 予定のリセット──“余白の予定”を最優先で確保
- 週のはじめに**「何もしない30分」**を2枠入れる
- 直前キャンセルに罪悪感が強い人は、最初から余白を予約
余白は「怠け」ではなく、心の筋肉を回復させる休息。
それでも揺れる日には──“3つの質問”メモ
- それ、誰に見せたい?(今の私?過去の私?誰かの期待?)
- 今日の体温は?(睡眠・空腹・疲労のサイン)
- 10分で戻せる“私の場所”は?(白湯・窓開け・散歩・音楽)
この3つだけで、私は“演じる私”のスイッチを切り替えられるようになりました。
小さな実験:1週間だけ“比べない暮らし”
- Day1:SNS10分ルール/防衛語録の言い換え1回
- Day2:クローゼットから出番ゼロの1着を別箱へ
- Day3:夜に白湯+10分散歩
- Day4:予定表に何もしない30分を2枠入れる
- Day5:好きなコーデを鏡前で写真に撮る
- Day6:家族や自分に**「ありがとう」**を1回、声に出す
- Day7:1週間の「できた」だけを3つ書く
「できなかった」は採点しない。“できた”だけを拾う練習です。
まとめ──“ちょうどいい私”に戻る手順
- 見栄と比較は「他人の設計図」。自分の体温で採点し直す。
- 防衛語録は事実+前進で言い換える。
- 服・予定・情報は**“今の出番”基準**で軽くする。
- 小さな実験を1週間。できたことだけ積み上げる。
そして最後に、今日の私からあなたへ。
「よくやっています。十分です。もう、少し軽く息をしていい。」
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